日 時: | 2024年11月4日 (月・振替休日) 14:00 - 16:10 |
主 催: | NPO法人地学オリンピック日本委員会 |
後 援: | アースサイエンスウィーク・ジャパン |
申込み: | 2024年11月2日 (土) 17:00 まで |
対 象: | 中学生、高校生、一般の方 |
参加費: | 無料 |
内 容: |
14:00 | 小川理事長 挨拶 | |
14:05-15:05 | 「大陸地殻はどのように成長したか」 | |
現在の地球は、表層が地殻(地球のもっとも表面を構成する層)で覆われています。地殻は様々な岩石から構成されますが、その平均的な比重がマントル物質よりも小さく、地殻はマントルに浮かぶ形で存在します。鉄やマグネシウムといった重い元素を多く含むマントル物質が溶融し冷え固まる段階で重い元素と分離し(分化といいます)、比重の小さな岩石が形成されます。これが地殻、とくに大陸地殻となり、地球の表層を形成しています。 生まれたばかりの地球には殆ど地殻は存在せず、地球は45億年をかけて少しずつ地殻は成長してきたことになります。地殻の成長は、プレートテクトニクスによって駆動されます。新しい地殻は、海底の裂け目からマグマが冷えて固まることで形成されます。現在の地殻は、体積で言えば地球の1%にも満たない「薄皮」でしかありませんが、地殻は生物にとってとても重要な役割を演じてきました。地殻が風化し、ナトリウムやマグネシウム、カルシウムなどのミネラル成分が海に運ばれることで、生命に必要な環境が地球史45億年を通して整えられてきたのです。 そこで私達は、この地殻の成長がどのように進んできたのかを明らかにするため、世界の大陸がどれくらいの早さで成長したかを調べることにしました。しかし世界中の岩石を全て調べあげるなど到底無理な話です。そこで私達はあるアイデアに基づいて大陸地殻の成長速度を決める研究を始めました。研究当初は、多くの研究者に「そんなことできるわけない」と言われましたが、私達はこの挑戦的な研究(無駄に終わるかもしれない研究)に取り組み、数年で全く新しい地殻成長速度を決めることができました。この研究は、地殻の成長とプレートテクトニクスがどのように連動しているかを解明し、地球のハビタビリティー(生物居住可能性)に関する新たな知見を提供しました。どのようにして広大な大陸地殻の成長速度を決めたと思いますか? アイデア自体はとてもシンプルでしたが、その実現には最先端計測技術の開発が不可欠でした。 本講演では、大陸地殻成長の研究で経験した研究の苦しみと楽しさを紹介したいと思います。 | ||
講師 東京大学大学院理学系研究科教授 平田 岳史 氏 | ||
15:05-16:05 | 「砂つぶで読む土地のなりたち」 | |
海岸の砂は様々な情報を持っています。その土地がどのようにして生まれたのか、あるいは、どんな気候で、どんな生物が暮らしているのか。拡大して観察すると、土地ごとに違った砂の粒子の種類や形から、土地の性質が見えてきます。地球の様々な土地の砂の姿を、拡大画像で紹介しつつ、その砂が生まれた背景、地殻の進化を解き明かしていきます。身近な海岸や河川の砂にも、こんなに面白いことが隠れているのだ、ということに気づいていただければと思います。 小惑星や月、火星などの表面を覆っている物質も、ある意味では砂と言えます。 惑星科学にもつながる「砂つぶ学」の初歩をお伝えしたいと思います。 | ||
講師 東京都市大学理工学部自然科学科准教授 萩谷 宏 氏 | ||
16:05-16:10 | 終わりの挨拶 (澤口事務局長) |
申込み方法: | こちら のGoogle Form からお申込みください。 |
申込み受付けメールが自動返信されますが、自動返信が届かなかった方や お問い合わせは担当の瀧上 (burari@esolympiad.jp) までご連絡ください。 |